〜「めまい・ふらつき」鍼灸でのアプローチ〜
朝、ふと起き上がろうとした瞬間、ぐらりと世界が揺れる――。
それが「めまい」との最初の出会いでした。
多くの方が経験したことのあるこの症状、実はその背後に、身体だ けでなく心の状態までもが反映されています。
それが「めまい」との最初の出会いでした。
多くの方が経験したことのあるこの症状、実はその背後に、身体だ
「めまい」には、理由がある
私自身も40代の終わりに、 ある朝ベッドから起き上がろうとした瞬間、 目の前がぐるぐると回り出し、 立っていられないほどの強いめまいに襲われました。
横になったまま目を閉じ、気持ちを落ち着けて、 指先のツボを押す。
いつの間にか眠りに落ち、気がつけば症状は消えていました。
横になったまま目を閉じ、気持ちを落ち着けて、
いつの間にか眠りに落ち、気がつけば症状は消えていました。
その後めまいとは無縁でしたが、10年後くらい経った頃、 動いている時には気づかなかったのですが、安静時に「 軽いふらつき」や「揺れている感覚」を覚えました。
興味本位で病院のMRIを受けてみましたが「異常なし」、 理由わからず。
なので、耳のツボに数日間鍼を留めておいたところ、 症状はいつの間にか消えていました。
なので、耳のツボに数日間鍼を留めておいたところ、
こうした経験から、私は「めまい」という症状に対して、 深く向き合うようになりました。
鍼灸治療が効く理由
「めまいがスッと引いた」
「霧が晴れたような感覚だった」
――鍼灸治療を受けた患者さんから、 こういった感想をいただくことがあります。
とはいえ、すべての「めまい」が簡単に治るわけではありません。
症状の背景には、その人の性格や生活習慣、 心のあり方まで関係していることが多いのです。
特に、次のようなタイプの方には「めまい」 が起こりやすい傾向があります。
- 几帳面で生真面目
- 責任感が強く、限界まで頑張ってしまう
- 気を抜くと一気に身体に不調が出る
「大丈夫ですか?」と尋ねたときに、「大丈夫です」と笑顔で答える方ほど、身体は悲鳴を上げていたりします。
東洋医学から見る「めまい」の正体
東洋医学では、めまいは「内風(ないふう)」 と呼ばれる身体の乱れによって引き起こされるとされています。
これは、【肝(かん)の気の滞りや、血の巡りの悪さ(瘀血)】と深い関係があります。
これは、【肝(かん)の気の滞りや、血の巡りの悪さ(瘀血)】と深い関係があります。
つまり、現代風にいえば「ストレス」や「我慢」 が大きく関係しているのです。
脈診をすると、多くの方に「肝虚(かんきょ)」 という状態が見られます。これは肝の力が弱まり、 身体がうまく自己調整できなくなっているサインです。
鍼灸では、そうした深い原因にアプローチする「本治法( ほんちほう)」という考え方があります。
たとえば、
たとえば、
- 頭のツボに圧痛(押すと痛みがある)
- 血流が滞り、ぶよぶよとした感触
- 押すと「痛気持ちいい」感覚がある
といったサインがある場合、鍼を通して、身体全体の流れを整え、自己回復力を高めていきます。
具体的な施術とセルフケア
実際の治療では、以下のようなポイントを重視しています。
- 基本的には肝虚という気の流れが弱まっている状態。
めまいが春に多いのはこのため。 - 耳のツボ(めまい穴)への鍼はとても効果的
- 肩や首、背中のこりを緩めることで、頭部の血流が改善
- 使用する鍼は細く、痛みの少ないやさしい刺激が基本
- お灸は自宅でもできるセルフケアとしておすすめ
なお、咬み合わせの不良が関係している場合には、 歯科の受診が必要です。
ただし、咬合(こうごう) に詳しい歯科医師に相談するのが望ましいでしょう。
再発しないためのポイント
「めまいが治ったから、もう大丈夫」―― そう思いたい気持ちはよくわかります。
でも、実は症状が出ていない時こそ、ケアが大切なのです。
でも、実は症状が出ていない時こそ、ケアが大切なのです。
- 月に1〜2回の定期的な鍼灸ケア
- 肩こり、背中のこりを予防、回復するような軽い運動
- ハードな運動や無理なストレッチは避け、
何かリラックスできる方法を選ぶ - 呼吸を意識する(
仕事や読書に集中するあまり呼吸が止まっている) - 音楽や動画の視聴も熱中しすぎないことが大事
東洋医学には「未病を治す」という考えがあります。
これは「まだ病気になっていないうちに整える」予防医学の視点です。
めまいを繰り返す方の多くは、心身に変調を持っておられます。
定期的なメンテナンスにより、その変調を整えながら、再発を防ぎ、清々しい日常を取り戻すことができます。
定期的なメンテナンスにより、その変調を整えながら、再発を防ぎ、清々しい日常を取り戻すことができます。
おわりに
めまいは単なる身体の不調ではありません。
そこには、心の疲れ、ストレス、そして日々の生活の積み重ねが現 れています。
そこには、心の疲れ、ストレス、そして日々の生活の積み重ねが現
「どこに行っても原因がわからなかった」という方こそ、 ぜひ一度、東洋医学の扉をノックしてみてください。
表参道ビオ東洋医学センターでは、 一人ひとりに寄り添った丁寧な施術で、皆様の“本来の元気”を取 り戻すお手伝いをしています。